日本の大学を卒業後、アメリカの短大でホスピタリティを学び、現在はアジアの航空会社でキャビンアテンダント(CA、客室乗務員)としてお仕事中の筆者が、日々のフライトで経験した、CAならではのウラ話をお届けしていきます◎
今回は、飛行機のなかでの迷惑行為のなかでも対応が厳しい「酔っ払い」についてお話ししたいと思います!
CAにとって平和なはずの時間帯

Sasa Wick / Shutterstock.com
フライト中、CAにはさまざまな業務がありますが、1番忙しくなるのはお食事のサービスのときです。
お客様にお出しする食事が足りない! とか、あ! お水頼まれてたこと忘れてた!ということはよくあります(あってはなりませんが 笑)。お客様のコールボタンが多いのもこの時間帯でバタバタすることもあります。
この忙しい時間が終わると、ギャレー(配膳準備スペース)でご飯食べたり、トイレ掃除に行ったりしつつも、CAにとってはつかの間の休息のときでもあります。(筆者が所属する会社が外資系だからというのもあると思いますが…)
しかし、そんなに平和に終わらないフライトもたま(?)にあるんです!!
今回は前回の「トラブル続きのフライト」話とは別の便で起こった大騒動を紹介します。このフライト、私が訓練を終了して、やっと客室乗務員として働き始めて1ヶ月も経たない頃の出来事で、今でも記憶によく残っています。
酔っぱらって暴れ出すお客様
この時は、日本発の本国行きのフライトでした。お食事のサービスが終わった頃に、日本人男性のお客様がお酒を飲み過ぎて、酔っぱらってしまったようでした。飛行機では乗務員がお客様はもう酔われていると判断した場合、お酒のサービスをストップすることができます。この時も「これ以上お酒は出せません」と忠告をした事もあり、お客様は怒り出して、暴れ出してしまいました。
椅子を蹴ったり、罵声を飛ばしたり、しまいには乗務員に手を出す勢いで、全く収まる様子がありませんでした。責任者と男性乗務員数人が対応しても、全くお構いなしで暴れまくるお客様。パイロットが出て行っても全然収まらず。「これ以上暴れると逮捕します」という内容の警告を出しても、気にする素振りもありませんでした。
まさかの拘束!?

Mirco Vacca / Shutterstock.com
警告を出しても変わらない状態で、乗務員や他のお客様に危害を加える可能性があると判断した場合に備えて、機内には手錠が搭載されています。
そんなわけで、このときは最終手段として、手錠を使ってお客様を拘束させて頂きました。
訓練中に飛行機に手錠があることは勉強しましたが、フライトを始めて1ヶ月でまさか本当に使うとは思ってもいませんでした!!手錠を使ったのは後にも先にもこのフライトだけです。
手錠以外にも、拘束できる道具があるので、それらも使ってお客様は本国に到着するまで拘束されたままでした。飛行中に本国の地上に連絡しておき、到着後に待機していた警察にそのまま連行されてしまいました。
その後、そのお客様がどうなったかは分かりません。きっと酔いが覚めてとっても後悔したにちがいありません……。
機内での飲酒はご用心
気圧の関係で地上よりも機内は酔いやすくなっています。トイレに行く為に立ち上がって、通路で倒れられるお客様もいらっしゃいます。この手錠で拘束されたお客様がどのくらい飲んでいたのかは私は分かりませんが、次回からは程々にして頂きたいなと思いました。
皆様も機内でのお酒は飲み過ぎないようお気をつけ下さい。