CA歴10年以上の筆者が、「キャビンアテンダントになりたい!」と思ってトライしたCA受験を振り返る企画の後編です。
前回はCAになる為に順応力とコミュニケーション能力、そして体力が必要と書かせていただきました。それ以外にもとても重要になってくるのが英語力です。客室乗務員を目指している方の中には、英語の勉強に力を入れている方もいらっしゃると思います。
英語は日系の国内線でも実は必須◎
日系の航空会社で国内線でということであれば、不要なのでは?? と考える方もいるかもしれません。しかし現状では、国内線のみに乗務する客室乗務員でも、パイロットは外国人だったりするので、日系でも外資系でも、やはり英語力は求められると思います。
日常会話レベルでは難しい局面も

国際線パイロットとの連絡はもちろん英語です! (Subodh Agnihotri Shutterstock.com)
私はアジアの航空会社に勤めていますが、応募した当時の条件はTOEIC600点以上だったと記憶しています。アジア系の航空会社の基準は日系の航空会社と同じぐらいだと思いますが、欧米・欧州系などの航空会社だともっと高くなります。ただTOEICの点数を取っていても、実際に話す事ができなければ、入社後に苦労することになります。

緊急事態にも的確な連携を取るためにも英語力は大切◎
外資系の航空会社では、訓練は全て英語で行われます。分厚いテキストももちろん全て英語です。客室乗務員には、よく知られているサービス業務以外に、保安要員としての業務があります。安全なフライトを追行するための業務は、サービスよりも重要視されます。非常時のための訓練、飛行機の安全に関する訓練も英語です。そして、機内で具合が悪くなった方の介助をできるための医療系の訓練も英語で行われます。英語、英語、とにかくオール英語です。
無事CA受験を突破して航空会社に入社しても、この英語での厳しい訓練に合格できない限り、実際にCAとなって働き始められません。
またどれだけ英語漬け生活を送っても、別のハードルが立ちはだかることも! 英語をネイティブとする航空会社でない場合、その英語が訛っている可能性もあり、これがまた一段と難しくさせます(笑) 私も面接の時から訛った英語の聞き取りに苦労し、訓練中はますます苦労した記憶があります。ということで、アジア系の航空会社では欧米・欧州系の航空よりも、求められる英語力もそこまで高いものではない印象です。実際、私の務めるアジア系航空会社では英語がペラペラの日本人乗務員もいますし、日本語訛りの英語の方もいます(私は後者です。笑)。
英語力は鍛えて損はない!

国内線にも外国のお客様とのコミュニケーションが重要なシーンも。(RUBEN M RAMOS Shutterstock.com)
実際に求められる英語力は、やはり航空会社によって全く違ってくると思います。自分の英語力に合わせて志望する航空会社を決めるか、自分の志望する航空会社に合わせて英語力を高めていくか、どちらにしても、やはり客室乗務員には多かれ少なかれ英語力は必ず必要になってきます。英語の本を読んだり、英語の映画(アニメなら理解しやすいのでおススメです。)を見たり、日々英語と親しむことが、CA受験突破の一歩になるのかなと思います。
無事訓練が終わって、実際に働き始めてからも外国人のお客様はたくさんいらっしゃいますし、機内で倒れられたりした日本人のお客様と、他の乗務員や責任者の通訳となってコミュニケーションを取ることもあります。ですので、やはり最低限の英語力は必要になります。