イギリス人が盛り上がる年に一度の「パンケーキ・デイ」。初めて聞く人も多いのではないでしょうか。どんないべんとなのか、いったいどんなふうに盛り上がるのか、そもそもなぜパンケーキなのか……?
今回は「パンケーキ・デイ」と、そもそもあまり知られていないイギリスのパンケーキについてレシピと合わせてご紹介したいと思います。
「パンケーキ・デイ」とは?
2019年は3月5日がこのパンケーキ・デイにあたるのですが、実は固定された日付はなく毎年変動制になっています。その理由はこのパンケーキ・デイがキリスト教のイースター(復活祭)47日前にあたる最後の謝肉祭の日である、ということです。
キリスト教にはイースター前の40日間(土日は除く)、贅沢はせずに質素な食生活をするという習慣があります。その質素な食生活を始める前の日に卵、牛乳、砂糖など豪華でうまみ豊富な食材を消費するという意味合いを込めてパンケーキを食べる、という背景がこのパンケーキ・デイの由来です。

シンプルな材料でできるから、いつでも食べられる!
筆者がイギリスに滞在していた時は「パンケーキ・デイには絶対にパンケーキを食べるの」という人がかなりいました。(ですが筆者の知り合いを見ていた限りパンケーキ・デイ後40日間の質素な食生活をしている人はあまりいなかったような気がします…)
各地で行われるパンケーキ・レース?!

イギリスの国会前でも開かれるほどの人気があるパンケーキ・レース(Padmayogini / Shutterstock.com)
さて、このパンケーキ・デイはただのパンケーキを食べる日だけではありません。この日はイギリス各地でパンケーキ・デイにまつわる様々なイベントが行われることでも有名なんです。その代表ともいえるイベントが「パンケーキ・レース」!フライパンに入ったパンケーキを持ったまま競争する、というなんとも面白そうな行事です◎

老若男女で楽しまれているロンドンのパンケーキ・デイ。イベントにはパンケーキ・レースは欠かせません。(Michaelpuche / Shutterstock.com)
レースのルールはイベントによって違うのですが、なかには「必ずエプロンを着用すること」「スタートとゴール時には必ずパンケーキをひっくり返すこと」などの面白ルールがちらほら。
↑なんだかイケメン英国男子も楽しむらしいです。
このパンケーキ・レースは、パンケーキ作りで忙しく時間を忘れていた主婦が、礼拝の時間を知らせる教会の鐘の音にびっくりして、エプロン姿のまま大慌てで教会に駆け込んだ、という話が起源になっているそうです。
パンケーキ・デイのパンケーキレシピ
日本人にとってはアメリカ式のフワフワで厚みのあるパンケーキに馴染みがあるのですが、イギリスのパンケーキはクレープのように薄めな仕上がりになっています。

日本人の考えるパンケーキとはちょっと違うイギリスのパンケーキ!
この薄いパンケーキの上に砂糖とレモンをかけてクルクルと丸めて完成、というシンプルなスタイル。一枚一枚が軽く、さっぱりとしたレモンの香りが食欲をそそり気が付けば何枚も食べていた!というほど危険な美味しさのパンケーキ…ぜひ皆さんにも試していただきたいです!
用意するもの(6枚分)
・薄力粉 120g
・塩 ひとつまみ
・卵 2個
・牛乳 210ml
・水 90ml
・植物油 大さじ1杯
・バター (お好みで)
・レモン (お好みで)
・砂糖 (お好みで)
手順
1.ボウルに塩と薄力粉を入れて混ぜる
2.【 1 】の真ん中をへこませて、卵を割り入れる
3.別のボウルに水とミルクを入れて混ぜる
4.卵を崩しながら1と混ぜ合わせ、【 3 】を少しずつ加えながらホイップ前の生クリームの滑らかさになるまで混ぜる
5.油を入れ、良くかき混ぜた後30分ほど寝かす
6.テフロン加工のフライパンを熱くなるまで火にかける。バターを少々加え、おたま一杯分を入れ、厚さが均一になるようにフライパンを動かす。色がつくまで30秒~1分火にかける
7.パレットナイフ(テーブルナイフでもOK)を使ってパンケーキをひっくり返し少し色がつくまで数秒間火にかける。パンケーキを皿に移し、クッキングシートを上に置いて、残りのパンケーキを調理する
パンケーキを一枚お皿に取り、砂糖とレモンをお好みでかけてクルクルと巻いて頂きましょう!

お腹がいっぱいでも、ついつい手が伸びちゃう!
このパンケーキ・デイはイギリスだけではなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国でもお祝いされています。筆者はキリスト教徒ではありませんが、パンケーキ・デイにはしっかりパンケーキを食べる予定です◎