日本の大学を卒業後、アメリカの短大でホスピタリティを学び、現在はアジアの航空会社でキャビンアテンダント(CA、客室乗務員)としてお仕事中の筆者が、日々のフライトで経験した、CAならではのウラ話をお届けしていきます◎
今回は客室乗務員が遅刻をしてしまったら・・・??という時の話をさせて頂きたい思います。これは、私の会社での話であり、日系の航空会社は全く別の話になると思います。こんな航空会社もあるんだな?と読んで頂ければ嬉しいです。
会社からの電話で起きた?!
先日の本国を早朝に出発する便で、後輩日本人乗務員がブリーフィング(出発前のミーティング)の時間になっても出社していないことがありました。あとで後輩に聞いた話だと、会社からの電話で起きて、顔を洗って、髪だけまとめて、5分でタクシーに飛び乗り車中で化粧をしながら来たと言っていました。ブリーフィングには間に合いませんでしたが、飛行機に乗り込む時間は、ほぼ他の乗務員と同じ時間に到着する事ができました。幸い、責任者も優しい方で、挨拶に行くと「よく来てくれた?!!」と言って、ハグをしてくれたということでした。
その乗務員が間に合わなかったら、スタンバイ要員(自宅待機で会社からの電話があれば、その時にフライト番号、行き先、時間を告げられ出社します。前日から分かることもありますし、出発数時間前に電話があることもあります。そのまま出社せずに終わることもあります。)を呼ぶ時間もなかったので、責任者も欠員にならず済んで、嬉しさからのハグだと思います(笑)。日本では考えられない対応に、こっちもおもわず笑顔になってしまいました。
カップルで寝坊…
数年前にはカップルで遅れてきた乗務員がいました。彼らも会社からの電話で起きたそうですが、彼らが到着したのはお客様がほぼ乗り込んだ後でした。本当にギリギリのタイミングでした。2人共が目覚ましをかけていたのに、お互い消してしまったというハプニングでした。無事間に合って出発できたので良かったですが、CAでなくてもダメなパターンですよね……。
万が一に備えてのスタンバイも…
また、実際に私は過去にスタンバイで早朝に呼ばれて、結局間に合わなかったこともあります。時間があまりないギリギリの時でしたら、会社も空港近くに住んでいる人を呼んだりもしています。当時引越し直後で、会社への変更届ができておらず、告げられた時間には間に合わないと伝えました。しかし、会社のスタッフは、ただ来るようにとしか言いません。他にも機長さんと副操縦士もスタンバイだから大丈夫!とのことでした。
急いで支度をして家を出ましたが、思った通り間に合わず、その飛行機は欠員のまま出発しました。安全上必要な人数さえ揃っていれば、乗務員の負担は増えますが、飛行機は運行できます。私の到着を待つより、乗務員の負担が増えても、定刻通りの出発を選んだのだと思います。
また、本国は渋滞がとても酷い国なので、渋滞に引っかかってしまい、ブリーフィングに間に合わない乗務員はたまにいます。早目に出ても、予測出来ない渋滞にあったりすることもあるので、会社に遅刻する前に電話で知らせておくと、そこは会社も容認しているようです。
日系の航空会社だとどんな理由であれ遅刻は厳禁だと思いますが、ちょっとゆるい(?)外資系の私の会社ならではの遅刻事情を紹介させて頂きました。機内では優雅にサービスしているように見えるかもしれませんが、実は出発前に冷や汗をかいていたのかもしれませんよ。