世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。特に、生活に密着している野菜や果物、お花などの植物には、幸運を意味する伝説や歴史・風習を持つラッキーチャームが多く見られます。
そんなラッキープラントのなかから今回は、「気品のある香り」の“スイセン(水仙)”をご紹介します。
「スイセン」は美しさの象徴

カラヴァッジオによって描かれたナルキッソス。「スイセン」の英名は”narcissus” 。この美少年が語源と言われている(パブリック・ドメイン)
スイセンの花言葉は、うぬぼれ・自己愛。ギリシア神話に出てくる美少年・ナルキッソスが由来の花言葉です。
絶世の美少年ナルキッソスは、美しすぎる自分しか愛することができなくなっていました。そんなナルキッソスに恋をした森の妖精にひどい態度をし、それを見ていた神は、ナルキッソスが水面に映った自分を恋するように呪いをかけるのです。
ナルキッソスがいくら恋焦がれても、水の中の自分は何も言わないし、触ると消えてしまいます。
ナルキッソスは、叶わぬ恋にやつれ果て死んでしまい、水仙に姿を変えたと言います。ナルシストの語源ともなりました。
つまり、スイセンとはそれほどまでの美しさが具現化された花なのです。
スイセンのラッキー その1 「中国のスイセン」
スイセンは漢字で書くと水仙。「仙」は仙人の仙です。中国では、天界にいる仙人を「天仙」、地上にいる仙人を「地仙」、水の中にいる仙人を「水仙」と呼びます。水辺で凛とさく水仙は仙人のように神々しかったので、この名が付いたと言われています。仙人は永遠の命を持ちますので、長寿の意味を持つこととなりました。
スイセンのラッキー その2 「日本のスイセン」
日本の季節の区分である七十二候に「金盞香(きんせんかさく)」。初頭の頃を指し、「スイセン(日本水仙)が咲く」という意味になります。
日本水仙は、別名雪中花。雪のさなかに咲き、春を早々に告げてくれる縁起のいい花なのです。
また、金盞とは金色の盃のことで、日本水仙の花の形が由来とか。いかにも金運に良さそうな名前です。
スイセンのラッキー その3 「シャネルNO.5」

Savvapanf Photo / Shutterstock.com
スイセンの香りは、とても上品。水仙精油の抽出量は少なく、非常に高級で、ハイブランド香水などに使われています。
催眠作用や鎮痙作用があるのですが、とても強力で、毒にもなり得ます。アラビアでは媚薬としても用いられているとか……。
水仙の香りといえば、シャネルのNO.5。マリリン・モンローがこれをまとって寝ているという発言で有名な香水です。
そして、幻の黒水仙をイメージして調香されたという、フレグランスハウス「キャロン」の名香「ナルシス・ノアール(黒水仙)」も忘れてはいけない逸品。
スイセンは、女性の魅力を際立たせる香りを持っているのです。
スイセンのパワーをもらいに行こう

兵庫県淡路市の国営明石海峡公園。2019年は3月~4月中旬にかけて白や黄色、橙色の大輪やミニスイセンなど様々な花型のセイヨウスイセンが見ごろ。(HPより)
スイセンはヨーロッパが原産の花で、品種は豊富。今の日本水仙になる種が中国を経て日本に伝わり、日本の風土にマッチして野性化しました。スイセンといえば白と黄色の「日本水仙」が思い浮かびます。
日本水仙三大群生地は、福井県越前海岸、兵庫県淡路島、千葉県房総鋸南町。静岡県下田の爪木崎にも300万本の野生の水仙が咲き乱れます。
ぜひお近くの方はラッキーパワーをもつスイセンのもとにお出かけを◎