イギリス英語とアメリカ英語は同じ英語でも、発音やスペルの違いや、一部異なる単語・フレーズなどがあり、よく比較されています。もちろん、全般的な使い方は一緒なので、イギリス人とアメリカ人はほぼ問題なく「英語」を使って意思の疎通が行えます。
そんな「英語」という同じ言語を使うイギリスとアメリカですが、実は”Two nations divided by a common language(同じ言語で分けられた2つの国)”とも言われており、「イギリスとアメリカは同じ英語と言いながら、違う言葉を喋っている」と揶揄されることもあるんです。これは、英語という同じ言語を使っている両国だけれど、国民性が大きく異なるために、誤解があったり、意思の疎通に支障が出ることがあることを表しています。
なかでも、両者の大きな違いは、直接的な表現を避けて婉曲的な表現を好むイギリス人と「どストレート」な表現を好むアメリカ人のギャップ。
今回は、そんなイギリス人が放った言葉に対して、それを聞いたアメリカ人の「解釈」とイギリス人の「本音」の面白ギャップをご紹介したいと思います。
アメリカ人には理解不能!? イギリス人の本音と建前

日本で例えるなら京都人と大阪人のようなイメージでしょうか・・・(笑) フレーズを丸ごと覚えておきたいものですね。
イギリス人:I hear what you say… (君の言いたいことは分かるよ……)
アメリカ人の解釈:分かってくれたんだな……
イギリス人の本音:バカ言ってんじゃないよ。もうこの話は終わりだ。
イギリス人:With the greatest respect… (失礼は承知の上で言わせてもらいますが……)
アメリカ人の解釈:敬意を払ってくれているんだな……
イギリス人の本音:あなた、バカでしょ
イギリス人:That’s a brave proposal…(すごく大胆な提案ですね)
アメリカ人の解釈:勇気ある提案を褒めてもらえた
イギリス人の本音:頭おかしいんじゃないの?
イギリス人:Very interesting…(すごく面白いですね)
アメリカ人の解釈:僕・私の話を楽しんでもらえてる!
イギリス人の本音:本当にくだらない話だな……
イギリス人:I’ll bear it in mind…(覚えておきますね)
アメリカ人の解釈:僕・私の意見はなかなか良いものだったんだな!
イギリス人の本音:何だったっけ? もう忘れた
イギリス人:I’m sure it’s my fault (私のせいですね)
アメリカ人の解釈:なにもそんなに自分自身を責めなくても……
イギリス人の本音:あんたのせいだよ
イギリス人:You must come for dinner! (ぜひ、今度うちにディナーを食べに遊びにきて!)
アメリカ人の解釈:招待された!
イギリス人の本音:ただの社交辞令です
イギリス人:Not too bad, actually…(まあ、実のところそんなに調子悪くないですよ)
アメリカ人の解釈:調子はそこそこなんだな……
イギリス人の本音:最高の気分!
イギリス人:Bit wet out there…(なんか外、ちょっと雨降ってるみたいですねえ……)
アメリカ人の解釈:小雨かな?
イギリス人の本音:すごい土砂降りだよ
相手の話を真っ向から否定しないのがイギリス人
上記の会話はステレオタイプなイギリス人の言い回しの「例え」なので、イギリス人と会話をするときに、あまり恐れる必要はありません(笑)。もちろん、本音でしっかりと伝えてくれるイギリス人もいますし、アメリカ人でもイギリス人の社交辞令や謙遜、嫌味などを理解できる人もいます。
基本的にイギリス人は、相手の話を真っ向から否定しない(Noと言えない)習性があり、また丁寧な言い回しを好むために、このような婉曲的な表現をせざるを得なくなってしまうと言われています。
言葉というものは、単に相手に意思を伝えるだけの道具ではなく、文化的背景や国民的気質の違いなどによって解釈が異なってしまうというのも面白いものですね。