「同じ英語と言いながら、違う言葉を喋っている」と揶揄されることもあるイギリスとアメリカ。「【イギリスvs アメリカ】同じ英語なのにこんなに違う!?~Part 1~」では、英語という同じ言語を使いながら、国民性の違いから、微妙に異なる表現方法によって生じてしまう「誤解」についてご紹介しましたが、Part2ではアメリカで育まれた独特の英語表現に注目したいと思います。
アメリカ人にとっては普段から使っているなにげない言い回しなのに、イギリス人を何故か「モヤモヤさせてしまう」という英語フレーズ。今回は、そんな面白「アメリカン・イングリッシュ」をご紹介します。
1. メインディッシュを「entrée」と呼ぶ
「entrée」というフランス語は英語でいうところのentryと同じで「入り口」を意味します。もちろんフランスでは(イギリスのフランス料理店でも)「entrée」は「前菜」のことを指しているのですが、どういうわけか北米では「entrée」は「前菜」ではなく「メインディッシュ」を意味します。なにやら、ややこしいことになっていますね……(苦笑)。アメリカ、またはイギリスでの表現に慣れている人はそれぞれの国でメニューをオーダーする際には気をつけましょう。
2.「You got it!」って?
アメリカに行くと、バーやレストランで何かを注文した時に、よく店員さんから「Sure, You got it!」と言われることがあると思います。意味としては「いいよ、了解!」といった感じ。
イギリスの人気コメディドラマ「ジーブス&ウスター」で、イギリス人の執事ジーブスがアメリカ旅行へ出かけ、ダイナーでコーヒーを注文する場面があります。そこでアメリカ人の店員さんに「You got it!」と言われるのですが、ジーブスは「I don’t think I have(いや、ないと思いますけど……)」と困惑。英米の表現の違いから生じる両者の誤解が面白おかしく描かれたシーンとして知られています。
3. 「Step on it!」と言われたら?
「Step on it!」または、「Step on the gas!」は、アメリカでは「アクセルを踏んで=急いで」と言う表現で使われます。ちなみにアメリカ英語でいうgasは、ガソリンを意味しますが、イギリスではガソリンのことをpetrol言います。「ガソリンは液体なのに、アメリカ人はなぜ“gas(ガス)”と言うのか?」とイギリス人はすでにその時点でモヤモヤしているようですが、アメリカ人に「Step on the gas!」と言われたらまず余計なことは考えずに急いだ方が良さそうですね。
4.「What’s cooking these days?」は料理について聞いているわけではない
アメリカ人に「So, what’s cooking these days?」と聞かれたら、cooking(クッキング)といっても料理の話ではなく、「最近、どんな感じ?」とか「最近、どうなっているの?」といった、あなたの「近況」について聞かれていると思ってください。
また、「what’s cooking」は「what’s going on」や「what’s happening」などと同じく「なにが起こっているの?」と状況をたずねるフレーズとしてよく使われています。この表現もやはり、イギリス人には聞き慣れない言い方のようです。
5.アメリカ人に「Hey, How are you doing today?」 と聞かれたら?
アメリカに行くと、お店、レストラン、あらゆるところで店員さんなどに「Hey, How are you doing today?(今日の調子はどう?)」と声をかけられます。
特別変わった表現ではないものの、イギリス人にしてみると「なぜ、アメリカ人はtoday(今日)の調子を聞く?」とモヤモヤしてしまうそう。「初対面だから、昨日の調子と比較できないはずなのに、なぜあえて今日の調子を聞くのだ?」と理屈っぽく考えてしまうと言います。
「How are you doing today?」 には特別深い意味はなく、単なる社交的な挨拶にすぎないので、(どんなに調子が悪くても)「I’m good, thank you!」と簡潔に済ませることがポイントのようですよ。
「アメリカン・イングリッシュ」ネイティブの仲間を作って楽しみながら覚えましょう!