世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。縁起が良かったり、ご利益があったり、魔よけになったり、その効用はさまざまです。
そんな数あるラッキーチャームのなかから、このシリーズではアニマルをピックアップ! 今回は、“ニワトリ”をご紹介します◎
「ニワトリ」は明けの鳥
日の出とともに朝を告げるニワトリは、家畜としての実用性が高いこともありましたが、太陽を連れてくるとても縁起のいい動物として大切にされてきました。時を告げる鳥はニワトリだけですし!
年が明けた最初の朝にも最初に鳴くことから、明けの鳥とも呼ばれます。
にわとりは酉年のトリでもあります。幸運をトリ込むことからも、縁起が良いとされています。
「ニワトリ」のチャーム その1 風見鶏

家だけでなく教会や山小屋などにも多く設置されています。
ヨーロッパの屋根の上で風に吹かれてクルクル回る風見鶏は、風向きチェックだけでなく、夜のうちに魔を追い払ってくれるという役目も果たします。それは、オスのニワトリに魔除けの力があるとされてきたため。そして、力強い太陽が安全な朝を連れてきてくれたことを、大きな鳴き声で教えてくれるのです。
「ニワトリ」のチャーム その2 ポルトガルの「ガロ」

バルセロスの広場にたたずむ「ガロ」(S.Vidal / Shutterstock.com)
昔々、ポルトガルのバルセロスという平和な街で、銀貨が盗まれるという事件が起きました。たまたまバルセロスに立ち寄っていた旅人の青年に嫌疑が駆けられ、無実を訴えるも捕まり、死刑の判決が…。その青年は、「無実である証拠に、刑が執行される時に丸焼きの雄鶏が鳴く奇跡が起こるだろう」と言いました。
刑は執行され、丸焼きの雄鶏は高らかに鳴いたのです。ちなみに、刑が執行される前に雄鶏が泣き、助かったというバージョンもあります。

ガロのお土産はとってもかわいい◎
この逸話から、ポルトガルでは雄鶏は真実を表すモチーフとされ、ポルトガル語で雄鶏をさす「ガロ」は、幸運のチャームとなりました。ポルトガルでは、黒や白その他色とりどりのガロの焼き物や人形がお土産として売られています。ポルトガル領だったマカオでも売ってます!
「ニワトリ」のチャーム その3 鳥居

天野岩戸神社(宮崎県高千穂)。天照大御神が隠れた天岩戸と呼ばれる洞窟があります。
神社にはほぼ必ずある「鳥居」。日本人にとって特別な意味を持つ、門です。神話の昔、天照大神が天岩戸に隠れてこの世が闇に包まれました。にぎやかな騒ぎをおこして岩戸を開けてもらおうとしました。音楽や踊りの他、たくさんのニワトリも鳴かせたとか。そのニワトリが止まった木が鳥居の元になったという説があるのです。

歌川国貞「岩戸神楽ノ起顕(三代豊国)」にも鶏が描かれている。(パブリック・ドメイン)
「ニワトリ」に会いに行こう ~ワット・タンミカラート~

すごい画力ありますね! 奥の方まで整列しているのみえますか? ぜひこの目で見たい。

あまりガイドブックにも載っていないのですが、口コミをみているとだいぶ見ごたえありそうですよ。
タイの古都・アユタヤにあるワット・タンミカラートには、極彩色のニワトリの置き物がいっぱいあります! アユタヤ王朝の21代目の王だったナレースワン大王が、闘鶏好きだったのがその理由だとか……。なかなか珍しい光景です。
・住所:Tambon Tha Wa Su Kri, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000
・ホームページ:https://www.ayutthaya-history.com/Temples_Ruins_Thammikarat.html