日本語には丁寧語や敬語、謙譲語などがあり、日本語をネイティブとする日本人ですら、使い方を誤ることがあるほど複雑なものであると考えられています。
日本の社会構造は、年齢や組織のヒエラルキーを重視したタテ社会が基盤となっており、その力関係の中で尊敬語や謙譲語などを使い分ける必要があります。一方で、年功序列が根強くなく、組織においては合理的な人間関係を好む欧米社会では、手間のかからないコミュニケーションが好まれているようです。
そうは言っても、どんな人に対してもフランクな英語で接してしまうと、「礼儀を知らない無礼な人」だと思われてしまう可能性はあります。実は、英語にも丁寧語はあり、TPO(時や場合、シーン)によって使い分ける必要があるんです。
今回は、そんな「英語の丁寧語」と使うべきシチュエーションをご紹介します。
フレンドリーに接しながらも「礼儀あり」
「タテ社会の日本vsヨコ社会の欧米」という印象から、欧米では日本よりも「単刀直入」あるいは「直接的」また、よくいえば「フレンドリー」な表現が好まれて使われていると考えている方も少なくないはずです。でも、そこには注意が必要。いくら「フレンドリー」と言っても、相手に対する「礼儀」を忘れてはいけないといいます。
英語圏でも、初対面の相手や会社の上司、取引先の相手、学校(大学)の先生や職員、公共施設の職員、お店やレストラン、銀行、ホテルなどサービス業の従業員、それほど親しくない知人などに対しては、必ずと言っていいほど「丁寧語」を使います。
「Please」をつけるだけでは丁寧な言い回しにはならない

知らずに傲慢な言い方になってるかも?
誰かに何かをお願いする時、文頭や文尾に「Please」を付ければ「丁寧」になると考えている人が多いようですが、これは大きな間違いです。「Please〜.」 や「〜, please. 」といった表現は、状況や使い方によっては高圧的で上から目線の印象を与えてしまうので注意が必要です。
例えば、取引先の相手に「資料を送ってもらえますか」という旨を伝えたいとします。この時に「Please send me the materials(資料).」と言ってしまうと、命令口調に聞こえてしまうため、相手が機嫌を損ねてしまう可能性もあります。
これを丁寧な言葉で伝えたい場合は:
Could you send me the materials?
Could I have (receive) the materials?
Would I be able to get (receive) the materials?
というように付け加えることが適切です。
また、ビジネスメールで「〜していただけると助かります」や「〜していただけると幸いです」などのニュアンスを伝えたい場面もでてきます。
さらに丁寧な表現をする場合は:
I will be grateful if you could send me the materials.
I would appreciate it if you could send me the materials.
とすることで、よりスムーズなコミュニケーションができるようになりますよ。