着物や建築装飾などにもみられる日本の伝統模様。しかしそれらはいまやテキスタイルやグラフィックデザイン、はたまたネイルデザインなど様々な分野にインスピレーションを与えています。
よく見かけるデザインだけど、由来や意味、縁起がわかっているともっと理解が深まります。今回は中でも人気の模様を集めました。ぜひこの機会に覚えてみてください!
<其の一>「青海波」読める??まずはソコから!
幾何学的に繰り返す波が美しい、この模様の名前は、「青海波(せいがいは)」。一時期ネット上で話題になりましたが、Wi-Fiのマークではありません(笑)
穏やかに打ち寄せる波がひたすらに連なっているイメージから、「永遠の平安」を表しているとされています。
また、末広がりの扇形にも見え、重ねて縁起が良い模様として愛されています。
<其の二>基本のキ「市松模様」は歌舞伎役者の衣装から!
白と黒の正方形がどこまでも繰り返される模様が基本で、江戸時代中期の歌舞伎役者、初代佐野川市松(さのがわいちまつ)が舞台衣装として着たのをきっかけに大流行。
そのまま「市松」模様と呼ばれるようになりましたが、古くは「石畳」、平安時代には「霰(あられ)」とも呼ばれていました。
<其の三>「麻の葉模様」生命力の象徴で産着の定番模様。
麻は成長が早く、4カ月で4mにもなります。また、まっすぐに伸び、生命力がとても強いのも特徴。そんな麻にあやかって、麻の葉模様は、赤ちゃんの産着(うぶぎ)の模様の定番となりました◎
「麻の葉」模様が確立したのは、平安時代と言われており、平安時代の仏像装飾などにも麻の葉模様が見られます。
また江戸時代には、歌舞伎役者の女形として活躍した岩井半四郎が、「八百屋のお七」の演目で麻の葉模様の衣装を着たことから、当時大流行したんだとか。やはり歌舞伎役者の着る着物は民衆に多大な影響を与えたのは間違いないですね。
<其の四>英語で言うと「アラベスク」=「唐草模様」
「アラベスク(arabesque)」とは、「アラビア風の」という意味。一般的には、ヨーロッパの建築や芸術作品にみられる唐草模様のことを指します。
蔦(ツタ)が絡み合いながら、四方へと広がっていく様子が模様になったのが、「唐草模様」。
唐草模様は古代エジプトやメソポタミアで生まれ、ギリシャ、ローマ、シルクロードを経て、中国(唐)の様式を色濃くし、日本に伝わったといわれています。
蔦(ツタ)は生命力が強く、四方八方どこまでも伸びていきます。そんなところから、唐草模様は「長寿・繁栄」を象徴する縁起のいい模様として、多用されてきました。