英国人はみな「紳士」!? ステレオタイプな見方は要注意!のメイン画像

英国人はみな「紳士」!? ステレオタイプな見方は要注意!

日本では、A型は几帳面、B型はマイペース、O型は大雑把というような血液型別の性格診断が根強良い人気を誇っています。また、県民性を話題にしたテレビ番組もあったりと、様々な集団をひとつの括りとして扱い、特徴付ける機会が少なくありません。

グループ別に特徴を共有するのは楽しいものですが、そこには意外な弊害も潜んでいるんです。今回は、注意しないと危ない「ステレオタイプ」の扱い方についてご紹介したいと思います。

英国紳士はイギリスを代表するキャラクターではない

英国人はみな「紳士」!? ステレオタイプな見方は要注意!の画像1

日本人にとって、イギリス人というと「英国紳士」をイメージされることが多いようです。そのせいか、イギリス人が犯罪に手を染めたり、モラルに反するような行動をとったりすると、「イギリス人は英国紳士なんじゃなかったの?」とか「英国紳士なんて嘘ばっかり」といったコメントが世間やネットなどで聞かれるようになります。

でも、「イギリス人がみな英国紳士であるべき」というのは、実は誤った考え方なんです。俗に英国紳士と呼ばれる人たちは、古典的な貴族階級の人たちをステレオタイプ化したものであり、また手本となるような貴族男性の理想像をイメージしたものに過ぎません。これは、イギリス人たちが自分たちのイメージとして「売り」にしているものではなく、日本をはじめ他の国の人たちが勝手にそう「思い込んでいる」のに過ぎないのです。

実際に貴族階級と呼ばれる人たちはイギリスの人口の0.6%しかおらず、そのなかでも「自己犠牲を重んじる」ような英国紳士がどれほどいるかと考えれば、「英国紳士」のキャラクターは決してイギリス 人を総括できるような勢力ではないことはご理解いただけるかもしれません。

海外ではステレオタイプが通用しにくい

英国人はみな「紳士」!? ステレオタイプな見方は要注意!の画像2

著者も海外に出るようになってから実感するようになったことですが、世の中には実に色々な人がいるものですね(笑)。

多様な民族や宗教的背景を持った人たちが混在するアメリカはもちろん、経済的バックグラウンドや教育(学校)の違いによって、考え方や行動パターンなどが大きく異なる人たちがイギリスにもおり、みなが「住み分け」をして暮らしています。最近の調査によると、イギリスには少なくとも7つの種類の階級(経済的&文化的に異なるバッググラウンドを持つグループ)が存在しているんだとか。

一方で、多様性の少ない日本では、似たような価値観を共有することが多く、理想とする人物像も似たようなものとなることが多いため、分かりやすいカテゴリーを作って、タイプ別に人やお国柄を語る機会が多いようです。

ステレオタイプは無意識の偏見につながる

英国人はみな「紳士」!? ステレオタイプな見方は要注意!の画像3

「ステレオタイプ」は、ある集団をひとくくりにし、それを構成する個を全て同一のものとして見るものだと言われています。これは物事の一つの側面しか見ておらず、思い込みであって、固定観念にすぎません。誤ったステレオタイプは、偏見にもつながり、意識をしていなくても相手に「差別」と感じられてしまう危険性も伴います。

もちろん、文化の違いによって習慣や表現方法の差異はあるかもしれませんが、ステレオタイプを用いて物事を判断する事で、真実を見誤ってしまう可能性が高くなることも注意しておく必要があると思います。

キーワード

英国人はみな「紳士」!? ステレオタイプな見方は要注意!のページです。ドッカは、【Lifestyle、イギリス、国際ギャップ、海外暮らし、海外移住】の最新ニュースをいち早くお届けします。