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日本人は完璧を求めすぎる!? 優れたサービスの裏で「減点主義」と「不寛容」という代償を負う日本社会

今年、国連の関連団体が発表した「世界の幸福度報告」で、日本は156カ国中58位という結果が明らかになりました。もちろん、幸福感というものは主観的なものですから、横並びに他者と比較できるものではないと思います。ただ、今回の調査では、一人当たりの国内総生産や社会的支援の充実ぶり、健康寿命、人生の選択の自由度、寛容さ、社会腐敗の少なさという6つの項目から分析。日本はほとんどの項目で評価が高かったそうですが、結果的に順位を落としたのは「寛容さ」が特に低かったことが理由として挙げられています。

最近、「不寛容化する」日本社会が日本でも話題になっていますが、実際に海外と比べても、日本は「不寛容」なのでしょうか? 今回は、海外とはちょっと違う日本の社会構造を解剖してみたいと思います。

サービスにはそれなりの報酬が必要という考え方が希薄?

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海外であたりまえのチップ。日本人はどうしても苦手な考え方ですね。

より良いサービスを受けるためにアメリカなどではチップ制度があり、「サービスには報酬が必要」だと考えられています。優良なサービスに慣れている日本では、「それぐらいやってくれて当たり前」という考え方が垣間見え、また他社との競争のため破格でサービスを請け負う会社も少なくありません。しかし、どのようなサービスも全ては人間の労働力のもとに提供できるものであり、安く質の高いサービスを受けられる日本においては、労働力の対価が削られるだけ削られているという現状があります。海外の人からは、完璧に見える日本のサービスや仕事ぶりも、実は労働者の身を削るような努力の結果であることを理解する必要があるかもしれません。

日本人の働き方と「減点主義」の密接な関係

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また、日本人の働き方の傾向として、仕事を完璧にこなすことが「通常」の業務であり、完璧にこなせない場合は「ミス」や「失敗」であると考えられることが多いと思います。

こういった考え方は「減点主義」と呼ばれるのだそうです。ミスなくこなす事が出来て100点満点とし、それが出来なかった場合は、どんどん減点されていくという仕組みです。もちろん人間ですので、何もかも完璧にこなすことは不可能ですし、真面目に働いていても仕事においてはトラブルも付き物ですから、ノーミスで済ませることはできないでしょう。

そんな「減点主義」の社会や組織において、できるだけ減点を少なくするためには、100点満点以上の努力をする必要があると言われています。「サービス残業」もそのような考え方から発生していると言われており、結果を出すために労働者の生活を犠牲にせざるを得ないという代償を負うことになります。

「完璧」を当たり前とする社会が「不寛容」を生む

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まずもっと気軽に助けを求めてみるのもよいかもしれません。

日本は子育てにおいても「完璧」を求める傾向にあるようです。最近では、働きながら子育てをするママさんたちが増えていますが、限られた時間の中で家事の他にも保育園の送迎やお弁当作り、学校行事への参加など一人で全てをこなしているという人がほとんどだと聞きます。一方海外では、育児や家事に参加する父親も多く、それ以外にもナニーやベビーシッター、家政婦など他人の手を借りることも特別なことではありません。もちろん、海外ではナニーに子供の面倒を頼んだからと言って、誰からも批判されることはありません。

日本では多くの人が「完璧」であろうと頑張るため、「完璧」でないものを目の当たりにしたときに、納得できなかったり厳しい評価を下したりしてしまいます。このような「完璧」を当たり前とした考え方が「不寛容」な社会を生みやすくなっているのかもしれません。

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