日本の大学を卒業後、アメリカの短大でホスピタリティを学び、現在はアジアの航空会社でキャビンアテンダント(CA、客室乗務員)としてお仕事中の筆者が、日々のフライトで経験した、CAならではのウラ話をお届けしていきます◎
いつも笑顔のCAですが、もちろん色んな性格の人がいます、たま~に困ったCAも居るんです。今回はどこの国にも存在するであろう、理不尽に怒ってくる責任者と一緒のフライトになってしまった時のお話です。
メンバーによって毎回ムードが変わるフライト

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会社では色んな人がいますので、それぞれの職場では雰囲気が違っていて当たり前です。人事異動があると全く違う雰囲気になったりするのだと思います。
航空会社では、毎回一緒にフライトをする乗務員は変わります。私の会社では飛行機全体の乗務員が再度みんな揃って仕事をする事は99%ありません。折角楽しくフライトをしたメンバーでも、また会うことはなかなかないので寂しく思う事もあります。しかし、その逆に、もう暫く会う事がないと思うと安心する事もあるのです。
その1つがとても怖い責任者に出会ってしまった時です。。。
乗務員リストで嫌な予感

先日のフライトで会社の中でトップ5に入るという厳しく怖い責任者(女性)と一緒に仕事をしました。厳しいだけならいいのですが、理不尽に怒り、大した事ない事にも激怒する人なのです。
この責任者には前にも会った事があり、フライト前に乗務員リストを見た時から嫌な予感がしていました。しかし、この時の副責任者(男性)はこの責任者と訓練の先生としても一緒に仕事をしていて、元々関係性が良いという事で、今回はきっと彼女の機嫌はいいだろうと安心していたところでした。
的外れに怒り出す責任者

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事件は、日本に到着した便で起きました。お客様がほぼ皆様飛行機から降りられた時に、私は飛行機のドアにいる責任者のところに来るように言われました。すると、彼女は地上係員の方に対して怒っており、私に通訳するように指示をしてきました。責任者曰く、責任者が聞いた事に対して、地上係員の返事が的を得てないと怒っていました。しかも、在ろう事か、彼女はその地上係員の方に向かって、「あなたは全然英語が話せない!もっと話せるべきだ!!もっと勉強しなさい!!」と大きな声で怒っているのです。その地上係員の方は英語は話せますし、仕事もしっかり出来る方です。ただ責任者とのミスコミュニケーションから始まり、責任者が的外れに激怒しているのです。私は責任者の話に頷きつつ、地上係員の方にはこっそり謝りつつ、ちょっと変わった人なので気にしないで下さいと伝え、その場を切り抜けました。
翌日は更に悪化…

次の日、本国へ帰る便では、副責任者が犠牲になっていたのです。副責任者は、やる事全てに文句を言われ、正解がないと嘆いていました。この副責任者は、副責任者に昇進したばかりの方だったので、責任者は色々と指導しているようでしたが、その指導の仕方が頭ごなしに全てを否定してくるようでした。副責任者はエコノミークラスで主に働くのですが、私達乗務員が働きやすいように、いつもの仕事の仕方を変える許可を出してくれたのですが、それも彼女に咎められたと言う事でした。
私達乗務員もフライト中緊張しっぱなしで、いつ彼女がやってきて、何を言われるのかドキドキしながら働いてしまう始末です。いつもなら座ってお喋りができる時間も、彼女がやってくるのでは!?という妄想までして、お客様より彼女が気になってしまうという本末転倒でした。
まとめ

本国はお国柄がゆる〜い感じなので、厳しい責任者がいないとダラダラ働いてしまう乗務員も多いです。私自身も厳しい責任者と働くと気が引き締まりますし、こういう人は会社には必要な存在ではあります。しかし、この責任者のように、何でもかんでも話も聞かずに否定し、理不尽に怒り始める人と働くと、仕事の効率は下がりますし、恐怖心ばかりが募りサービスの低下にも繋がりかねません。この緊迫したフライトを終え、本国に到着した時はみんなが安心し、また乗務員の中で一緒に危機を乗り越えたという一体感まで感じていました。笑
どこの世界にも変わった人はいると思いますが、航空会社にも強者はいるのです。笑