世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。特に、生活に密着している野菜や果物、お花などの植物には、幸運を意味する伝説や歴史・風習を持つラッキーチャームが多く見られます。
そんなラッキープラントのなかから、今回は“アジサイ”をご紹介します。
アジサイのおはなし

長崎で紫陽花の美しさに魅了されたシーボルト。長崎の町のマンホールには紫陽花が。(Niradj / Shutterstock.com)
アジサイは、日本国産の花です。鎖国時代、長崎に逗留したドイツ人医師であり博物学者だったシーボルトは、ヨーロッパにさまざまな植物を持ち帰りました。特にアジサイの美しさに魅了され、愛妻の名(おたきさん)をもじってアジサイのことをオタクサという学名で申請したといいます。 ところで、アジサイの花の色は青色や紫色、赤色、ピンク、白などありますが、土壌が酸性だと青色に、アルカリ性だと赤色になります。咲いている場所によって花の色が違うのは、こういうわけなのです。
アジサイのラッキー1
青や赤……花の色が違うアジサイは、その色彩が貴族に好まれ、優雅な花とされていました。しかし、少々考えの硬い武士の時代になり、心変わりや移ろいやすさを表すとして、嫌われるようになってしまったのです。そして、鎖国の時にシーボルトに見いだされ、海外で品種改良が進みます。今では「ハイドランジア」と呼ばれる世界的に人気の花に。運命の波に弄ばれているようで、しっかりと幸運をつかんだ花なのです。

色々な国で色々な種類の紫陽花を見ることができます。
アジサイのラッキー2
老舗の商店の軒先に、大きなハチの巣が飾りとして下がっているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?これは商売繁盛のおまじない。ところで、アジサイは小さな花がたくさん集まってひとかたまりになっていて、ハチの巣に似ています。アジサイを吊るすのも、同じくお金を呼び寄せるおまじないに!6月の6のつく日に花をひと固まり切ってきて、天井から吊り下げておきます。また、あじさいが庭に植わっていると、お金に困らないという言い伝えも。かつて日本でアジサイが愛されていたということなのでしょう。
アジサイのラッキー3
雨の季節に咲き誇るアジサイ。水を吸い取っているかのような鮮やかな花びらです。そんなところから、花風水では家の庭に植えていたり、切り花として飾っておくと、悩みを吸い取ってくれるという効果があるとされています。悩みが無くなって魅力が増し、モテ過ぎて困ることに……なんていう副作用(?)もあるとか。
アジサイのパワーをもらいに行こう!
海外でも人気のアジサイですが、やはり日本でしっとりと鑑賞したいものです。岩手県にある「みちのくあじさい園」では、梅雨の季節、杉並木と雨とアジサイが織りなす幽玄の美を楽しむことができます。

6月下旬から約1ヶ月間、杉山の小路は色鮮やかな「あじさい」の花に彩られます。約2kmの散策路の両側には約400種4万株のあじさいが咲きます。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょう。
■みちのくあじさい園
〒021-0102
岩手県一関市舞川原沢111
みちのくあじさい園/一関観光協会サイト