最近では、日本でも教育改革が注目されており、「暗記型」教育から「思考型」教育へのシフトが検討されているようです。英語教育のみならず、「自分で考える力」を養うことがこれからの課題だと考えられていますが、なぜ今変革が求められているのでしょうか。
最近ではグローバル化に伴い、様々な業種や海外での活動に取り組む人々も増え、多様化しています。特に、国際的なやり取りの間では知識だけでなくコミュニケーション能力が問われ、問題解決の能力や判断力などが高く評価されることが多くなります。
もともと、日本の教育の中では計算力の訓練や歴史の年号などの知識を覚えることが多く、教師からの教えを授かることがメインであり、知識力を育むことが第一とされてきました。一方で、「自らアクティブに行動する」ための知恵力を育む機会が少なく、国際社会に飛び出した時に、これが日本人にとって大きなハンディーになる傾向が散見されるようになったことも事実です。
では、海外ではいったいどのような教育がなされているのでしょうか? 今回は、イギリスの教育制度をご紹介したいと思います。
イギリスは日本よりも義務教育期間が長い

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日本では、満6歳に達した子供から満15歳に達した子供までを小学1年生~中学3年生とし、9年間の義務教育が行われています。一方で、イギリスは、5歳から16歳の11年間(イギリス国内ではイングランドのみ5歳から18歳までの13年間)、義務教育が行われています。

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また、小学校に入学する前はプリスクールに通う子供達が多いようです。プリスクールは、満3歳からのナーサリー・クラスと満4歳からのレセプション・クラスがあり、特にレセプション・クラスは小学1年生の準備クラスとなっているため、多くの子供達がこのレセプション・クラスから入学すると言われています。また、5歳までには読み書きができることが求められているそうです。

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また、16歳の学生はGCSE(General Certificate of Secondary Education)と呼ばれる全国統一学力試験の受験が義務付けられています。大学への進学を希望する生徒は、8~10科目を受験することが一般的になっているそうです。また試験の成績は、A~Gまでの7つのグレードで評価され、義務教育以降の高等教育の進学を希望する子供達だけでなく、就職活動においても試験の成績が重要視されているそうです。
イギリスの教育は意外とシビア!?

大学に入るまでの道のりも険しい(edella / Shutterstock.com)
イギリスでは、義務教育を修了し大学への進学を希望する学生は、シックスフォームと呼ばれる大学受験コースに進学します(イングランドの場合はシックスフォームも義務教育範囲内となります)。シックスフォームは2年制の学校で、選択科目を5つ前後に絞り、より専門的な勉強を行います。1年目にASレベル、2年目にAレベルと呼ばれる統一試験を受験し、Aレベルの結果で大学進学の可否が決定するそうです。
ASレベル、Aレベルの試験は「論述形式」で専門性も高く、A~Eまでの5段階で評価されるそう。ちなみに、Eは不合格となり、大学に入学するためには、A~Cまでのハイスコアをとっておくことが要求され、なかなか厳しい内容になっているようです。