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【イギリス】どう違う?イギリスと日本の学校教育 (後半)

最近では、日本でも教育改革が注目されており、「暗記型」教育から「思考型」教育へのシフトが検討されているようです。英語教育のみならず、「自分で考える力」を養うことがこれからの課題だと考えられていますが、なぜ今変革が求められているのでしょうか。

前半は、日本とは異なるイギリスの教育制度をご紹介しましたが、後半となる今回は、イギリスの学校が実施している学習システムについてご紹介したいと思います。

イギリス発祥の参加型「アクティブラーニング」とは?

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イギリスの学校は1クラスの生徒の数が約20人と、日本よりも少人数制となっています。また、先生の話や先生が黒板に書いたことを生徒がノートに写していく日本の「座学」スタイルとは異なり、先生が生徒に自らリサーチを促し、ディスカッションやプレゼンテーションを行うと言った「参加型」の授業を行うことが多いのが特徴です。

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最近になって日本でも注目を集めるようになった「アクティブラーニング」の必要性が提言されたのはなんと1920年頃だったと言われていますが、1993年にイギリスで学習向上プロジェクトの一環として実施されるようになったとか。以来、コミュニケーションスキルの向上とともに「自分の力で考える」スキルを伸ばすための学習システムとして定着するようになったそうです。

日本ではまだなじみがない!?「批判的思考」を養う訓練

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また、日本ではまだあまり活用されていませんが、イギリスのみならず、欧米で取り入れられているのが「批判的思考」を養う討論型の学習法です。日本では、与えられた情報を無条件に記憶していく学習システムが主流ですが、その情報を何の「疑いもなく」一方的に受け入れるだけであり、批判的考察力を身につける機会がありません。

イギリスでは、生徒同士が授業の中でお互いに話し合う機会を多く設けており、相手の意見に対して疑問を持ったり、批判したり反論したりする訓練を重ねていきます。そうすることによって、自らの力で問題解決ができるようになるスキルが身につけられるようになると考えられています。

イギリスでも問題視される教育格差の危機

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イギリスの教育は地域や公立、私立かによって、その教育内容も大きく異なると言われています。また、人口過密の地域では、少人数制のクラスを維持できなくなっている学校もあり、授業のクオリティの低下が懸念されています。

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加えて、イギリスは地域間によって経済格差がかなり大きいだけでなく、親が子供の教育に対して関心が低い場合や、親の基礎学力が低く子供の学習をサポートできないこともあるなど、経済格差だけでなく文化的格差も大きいことが問題視されています。貧困だけでなく、教育・文化に関心の低い層が多い地域の公立校は教育格差の深刻な難題に直面しているとも言われています。イギリスでは、こうした教育格差の改善が急務になっているようです。

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